このバンド、７年程前から活動しているということでして、メンバーは以下の方々となってます。
　　村井秀清(p,key) 野々田万照(sax) 岡田治郎(b) 藤井摂(ds) 養父貴(g)

　Fusionをやってるバンドということで、何年か前から名前は知っていて気にはなってたのですが、ようやく観ることが出来ました。

　曲としては、結構ポップで聴きやすいFusionという感じ、心地よく流れるリズムの上でシンプルで気持ち良いメロディが奏でられる、というところでしょうか。キメのある曲なども一部ありますが、全体としてはメロディを中心にアレンジで曲を聴かせる点が特徴だと思います。
　メロディをとる楽器としては、piano,soprano sax,シンプルな音色のg、が多かったようでして、素直で美しい感じの印象でした。

　○○に似た…という言い方はご本人達には失礼かもしれませんが、聴いたことのない方のために挙げるならば、一時期のT-Square(Naturalの頃か)や和泉宏隆氏のソロアルバム(Amoshe)、それにPat Metheny Groupといったような印象を受けました。家に帰って聴き比べてみた感じでは、和泉氏のが一番雰囲気が近いかなと。

　とはいえ、単に聴きやすいというだけではなく、ソロになるとぐんと盛り上がりを見せるところが見事でした。ソロ自体が面白いのもあるのですが、それ以上にバックのメンバーの演奏が良かったです。お互いにいい意味で手の内を知り尽くしていて、相手の演奏にすかさず反応する様子がみてとれました。
　特に、ds,b,pのコンビネーションがよかったですね。相手の音をするどく聴いて音を投げ返すような"真剣勝負"というふうではなくて、リラックスした中で自然と相手の音に呼応としている感じでしょうか。
　とにかくバンドとしてのまとまりが良くて、演奏中も常にお互いの顔を見ながら笑いあってる感じでした。失敗して苦笑いしているのではなく(^^;、一緒に演奏するのが楽しくて仕方ないような雰囲気ですね。

　その辺はMCにも表れてまして、おそらく普段と同じような軽妙なノリで会話が進み、言葉のやりとりが絶妙でした。お客も常連の方が多いようで、とてもアットホームな雰囲気が出てました。

　久しぶりに「バンドらしいバンド」をみたなあというのが素直な感想です。セッションでは決して出ない味が出てましたね。先日T-Squareが解散(!?)したばかりですし(^^;、まだこういう「フュージョンバンド」がいるんだなと、聴いていてなんか嬉しくなってしまいました。

　個人的な希望としては、全体として聴きやすい系の曲が多いので、もっと激しくてガツンと来るインパクトのある曲も増やしてほしいとも思いますが、今後も注目したいなと思えるバンドであります。