このユニット、DJ系の人達が集まったもので、様々なジャンルの音楽のテイストを混ぜて、気持ち良くノレる音楽をやってます。大枠で言えばAcid JazzとかClub Jazzといったサウンドでしょうか。
　この人達は主に作曲・編曲を担当し、演奏は主に内外のMusicianを集める形で作っていまして、アルバム・ライブ共にFusion系の人達が結構出てます。自分達の音楽をジャンル的にはFusionと呼んでるようですし、Fusion好きでも気に入る人はいるのではと。
＃ちなみにBNの宣伝文句には「21世紀のフュージョン・サウンドを披露！」とありました:-)。

　今回のライブは先月出たアルバム「rad.2000」の発売記念的なもので、当日のメンバーは以下の通りでした。

　　Soul Bossa Trio：ゴンザレス鈴木(per) 松本俊行(key) 松本浩一(DJ)
　　本田雅人(sax)　則竹裕之(ds)　清水興(b)　Elsa(vo) Lysa Wong(vo)
　　鈴木俊治(key) 関準二郎(g) 和田純子(b.vo) 斎田佳子(b.vo)

　曲は、女性voをフィーチャーしたものを中心に、間にインストなども織り交ぜながら10数曲やったでしょうか。最新作からの曲が多かったですが、それ以前のアルバムからも何曲かやってましたね。
　最新作では比較的打ち込みが多いため、ライブの演奏もそれにとらわれてかどこかぎこちない印象もありましたが、その分以前のアルバムの曲では自由で勢いのある演奏を楽しめました。

　演奏はなんといってもリズムが実に気持ち良く、自然と体が動いてしまう感じですね。清水氏のbは音色・フレーズともに絶妙で、これと組む則竹氏も派手なソロはみせないものの多彩な技を十二分に発揮して、実にいいグルーブを作りだしてました。DsでいえばHiHatの音の表情のつけ方とか、Ghost Noteの使い方とか、一見シンプルだけど実に芸が細かいという感じです。少し後ノリの重めのbと、シャープなdsの組みあわせというのもなかなかよいです。
　この二人をベースにして、その上でgやkeyやperがまたさらに軽快なリズムを重ねていくので、見事にClub的な踊れるサウンドになるんですね。

　こういうリズムをバックに、voが歌って、間にソロが入るという曲の構成なのですが、saxに関しては常にソロを吹き続けている感じで、ソロパートが終わってもvoの後ろで延々と吹いてたり、時にvoにからんだりと、かなり目立ってました。いつもながらの早くてテクニカルな"本田節"が続くので、ファンにはこたえられなかったのではと。
　その他のソロではkeyの松本氏が良く、比較的シンプルなのですがツボを押さえたいい感じの演奏を聞かせてました。バッキングでもel.pのコードの響きが気持ち良かったです。

　比較的似たようなタイプの曲が多いので、続けて聴くと多少飽きてくる気もしないでもないですが(^^;、そういう単調さもまた気持ちがよいわけでして、なかなかに楽しむことが出来ました。
　お客の反応もなかなかよく、最後には総立ちで盛り上がっていました。とはいえ、BNという洒落た雰囲気が多少じゃましてた感じもしますし、また入れ替えのため演奏時間が短かったこともあって、なんとなく物足りなくも思いました。やはりこういう音楽はより自由な会場で、延々と聴くのがよいような。