12月17日：JIMSAKU ＠六本木・ピットイン
このライブ、当初は神保＆櫻井のデュオということだったのです
が、途中で角松敏生氏や伊藤恵子氏などの「Dispensation」参加メ
ンバーが出演することになったようです。
そのため会場には角松ファンが数多く押しかけ、チケットはSold
Out、客席も超満員というJIMSAKUにはめずらしい(^^;ライブとなり
ました。
出演者は以下の通りで、このほかマニピュレーターの方が一人い
らっしゃいました。
神保彰(ds) 櫻井哲夫(b) 大橋勇(g) 大坪稔明(key)
角松敏生(g,Back vo) 伊藤恵子(vo)
演奏曲ですが、だいたい次のようだったかと。曲名のあとの()内
は収録アルバムです。
1.Blaze of Passion (Blaze of Passion)
2.Crescent Jam (Navel)
3.I'll Gonna Catch You (Wind Loves Us)
4.Tokyo Tower of Power (Navel)
- MC -
5.Songo De Go Go (Jade)
6.45 Degrees (45 Degrees)
7.Alisa (Navel)
8.Drums Solo
9.Super Jingle Medley 〜I,II,II,V (Dispensation)
10.Bass Solo 〜 Catastrophe of the Rhythm (100%)
- MC -
11.Dispensation (Dispensation)
12.Dance of the Last Night Eve (Dispensation)
13.記憶の街 (Dispensation)
14.Make My Day (Dispensation)
15.Funky Punch (Wind Loves Us)
16.Bash (Blaze of Passion)
という感じで、前半はいつものインストJIMSAKU、途中ソロとデュ
オをはさんで、後半は新作からの曲、という構成でした。
今年になってからJIMSAKUとしてのライブは初めて(他は伊東たけ
し氏とか是方博邦氏とのだったので)ということもあって、前半は
久しぶりにJIMSAKUらしい演奏が楽しめました。選曲ものれる曲中
心で、会場も盛り上がってました。
演奏自体は多少荒っぽい(きちんとまとまってない)ような感じも
受けましたが、それが逆に勢いを感じさせて、実に面白かったです。
特に大橋氏のgがソロ部分で目立っていまして、その熱いソロに触
発されてか、随所で多彩なフィルを連発する神保氏のプレイが素晴
らしかったかと。曲の後半になると全員が怒涛のように弾きまくり、
そのパワーに圧倒されました。
中盤でのドラムソロですが、今回はトリガーシステムは使わず、
ドラム本体での演奏でした。しかしシンバルやカウベル類、ティン
バレス等を巧みに使って、実に多彩なリズムを鳴らしていました。
手数も多かったですし、途中では左足のかかとでブロックをクラー
ベで鳴らしながら、足先でハイハットをコントロールするという、
すごい技も披露していました。
続いては櫻井氏とともに「Super Jingle」を一気にメドレーで演
奏。アルバムそのままの演奏が目の前で繰り広げられるのには本当
に驚きました。会場も１曲ごとに感心していたという感じでした。
ちなみに「IV」だけが抜けたのはベースのタッピングの成功率が低
いからということで、次回にはぜひ披露したいということでした。
ベースソロはアルバム「100%」にも入っている曲。久しぶりにチョッ
パーを多用する熱いソロをみられたと思います。
このあと櫻井氏が伊藤さんと角松氏を招き入れ、今回このように
組んでアルバムをつくった経緯を説明。途中から角松氏が一人でしゃ
べりはじめ、カシオペアや角松氏がデビューしたころの話から、フュー
ジョンが盛り上がっていたころの話、そして現在の音楽状況まで、
長々と語っていました。途中でみかねた客席(orスタッフ)から「は
やく音楽やろうよ！」と声がかかったのを受け、やっと演奏に入り
ました。
ニューアルバムからの曲はシンセ音をシーケンサーで出して、そ
れにリズム体＆演奏者があわせるという形でした。神保氏は珍しく
ヘッドホンをつけながら、櫻井氏も譜面をみながら演奏してました。
そのためか今一つリズムが気持ちよくなく、アルバムから受けた面
白さが感じられませんでした。
歌はアルバム通りの声が聴け、また角松氏のコーラス＆ギターソ
ロも聴けるなど、それなりに面白かったですが、全体としては「ア
ルバムを出来る範囲で再現した」という感じで、それを越える面白
さはなかったように思います。
アンコールでは、まず櫻井氏がクリスマスソング(名前失念)をベー
スで披露。しかし途中でコードを忘れてしまったらしく、音を探し
ながらの演奏となってしまいました。続いては神保氏とのデュオで、
ここではいつも通りのパワフルな演奏を聴かせてました。
最後にgとKeyと合わせての「Bash」。これはアルバムでもかなり
激しい演奏を聴かせていますが、ライブではそれ以上に激しく盛り
上がる演奏となっていました。
全体として、３部ごとにそれぞれの面白さをみせてもらった気が
しますが、すでに確立(？)されている１部・２部の面白さに対して、
３部の面白さがいま一つ出ていないかなと思いました。まだライブ
としてこなれていないためでしょうが、ライブならではの楽しさが
出るようにしてほしいと思います。
昔ながらのJIMSAKUファンも１・２部は比較的盛り上がったのに
対し、３部は多少構えていたような感じだったのにも、あらわれて
いたように思います。逆に角松ファン層は１・２部は圧倒された感
じで、３部では写真をとるのに盛り上がっていました(^^;。
この両者が一体となってライブ全体を自然に楽しめるように、構
成なりアレンジなり演奏なりをうまくやってくれればと思いました。
そうすれば今回のチャレンジは成功したといえるのかと。