09月18日：Salt & Sugar ＠五反田・簡易保険ホール
Salt & Sugarのライブレポートをお送りします。
まず曲目ですが、終演後に張り出されていた曲目表によりますと、
次のようでした。
（曲目 : アーティスト : 収録アルバム）
1. One Note Samba : Antonio Carlos Jobim :
2. Desperado : Eagles : "ならず者"
3. You Send Me : Sam Cook : "You Send Me"
4. Oh Darling : Beatles : "Aby Road"
5. Wait for the Magic : Al Jarreau : "Tenderness"
6. Together Again : 塩谷哲 : "SALT II"
7. Keep Smiling : 塩谷哲 : "SALT"
8. 灯し火のように : Sing Like Talking : "Togetherness"
9. Lately : Stevie Wonder : "Hotter than July"
10. When I Fal in Love : Nat King Cole : "恋こそはすべて"
11. Love of My Life : Queen : "オペラ座の夜"
12. Wonderful World : Chris Eaton : "Wonderful World"
13. Diary : Salt & Sugar : 11/25 Single
14. Day Tripper : Beatles : "1962-1966"
15. Let Love Lead Me : 塩谷哲 : "SALT II"
16. Daybreak : Salt & Sugar : 12/4 Album
1. Spirit of Love : Sing Like Talking : Single
2. もみの木 : Salt & Sugar : 11/25 Single
3. Just Once : Quincy Jones : "愛のコリーダ"
前回と比べると、新曲を３曲やった分、前にやった曲が一部なく
なっているようです。
前半５曲は前回と同じ構成でした。しかし演奏はかなりよかった
と思います。前回は竹善さんの歌＆塩谷さんの「伴奏」という感じ
でしたが、今回はソルトも単なるバッキングではなく攻めの姿勢で
弾いていたかと。それが竹善さんをあおる形で、演奏がどんどん盛
り上がっていったように感じました。
特に３から４への演奏がよかったですね。ソルトはかなり力強い
バッキングでリズムを刻んでいましたし、それに併せて竹善さんも
実に力強い歌をきかせていました。
あとは５ですが、前回は竹善さんの高音がのびず不満を感じたの
ですが、今回はなかなかよかったです。さすがにアル・ジャロウに
は劣るものの(^^;、彼なりの素晴らしい世界をつくってました。
６・７とはソルトのソロになり、ここでもなかなか熱い演奏を繰
り広げていたと思います。７などはテーマメロディをかなり崩した
形での面白い演奏で、後半などではかなり意欲的にメロディを崩し
つつ演奏を展開したと思います。
９は竹善さんにだまされた(^^;ソルトが歌いましたが、まあなか
なか面白いお遊びだったと思います。バッキングをやった竹善さん
のプレイが思ったよりもよかったかなと。
10は即興で演奏されました。はじめにテーマ部分を微妙に崩しつ
つ歌った後は、竹善さんのスキャット・ホーンの口真似と続き、さ
らにソルトのピアノソロが展開されました。個々の演奏自体は面白
かったのですが、２人揃って別の世界へ行ってしまうような(^^;自
由な展開がそれほどなかったのはちょっと残念でした。
個人的にはもっと曲の枠を越えて展開し、もう戻ってこられない
くらいにフリーな展開をしてくれることを期待したのですが。
11,12は前回と同じようなアレンジでしたが、12などはかなり気
合いの入った歌でしたね。前回もすごくよい曲だと思いましたが、
今回聴いてまた良さを再確認いたしました。
13で竹善作曲、ソルト作詞の新曲に。ソルトらしい優しい感じの
詞だったと思いました。これでバックにNYの豪華なメンバーが演奏
していると思うと、本当に期待が高まります。たぶん歌を邪魔せず、
かつ雰囲気は盛り上げるような絶妙の演奏なのでしょう。
16で今度はソルト作曲、竹善作詞の新曲。ソルトの曲は普通のポッ
プスではあまりないような変な感じ(^^;の展開をしてましたね。パー
トごとで全然印象が違いつつも、全体としてはなんか面白い感じを
うけました。竹善さんの詞はやはりどことなく千章さんのに似てい
ますね。ここでの演奏＆歌も熱演でした。特にサビ部分でのソルト
のプレイが実に熱かったですね。
アンコールでの演奏は今回の中でも秀逸の出来だったかと。17な
どは間違いなく竹善さんの弾きがたりよりもよいですね。竹善さん
の歌もよかったですが、ソルトの抑えるところは静かに、盛り上げ
るところでは力強くという演奏がよかったです。
18はクリスマス用の新曲ということで、なんと作詞は吉田美奈子
さん(！)。まさしく彼女らしい優しく美しい詞でした。竹善さんの
歌い方もなんとなく美奈子さんに似ていた感じも。
(ちなみにこの曲で美奈子さんが仮歌を入れたテープがあって、竹
善さんとソルトの宝物になっているとのこと。ぜひ聴きたい。)
最後は前回も演奏した19。最後ということもあって、本当に良い
演奏だったと思います。実に気持ちのよい余韻を感じつつ、コンサー
トが終わったという感じでした。
結局MCも含めて(これが長いという話もあるが)３時間弱という長
いライブとなりましたが、飽きることなく十分に楽しめました。
全体としては、ソルトのピアノの音がよかったこと(非常に抜け
がよく気持ち良く響いていたなと)と、竹善さんの声も最初から良
かったこともあって、かなりよいライブだったと思います。
あとは２人が対等に音楽で渡りあっていたという感じがしました。
前回はソルトがちょっと引いていたかなとも思ったのですが、今回
はもっと積極的に弾いていたかと思います。けっこう細かいフレー
ズなどをいれたりして、曲に厚みが出ていたように感じました。
ソルトの演奏に触発されて、竹善さんの歌にも気合いが入ってい
たと思います。おかげで聴いているこちらも曲にぐいぐい引き込ま
れたという感じです。
あえて希望を言えば、この演奏が狭いライブハウスでやられてい
れば、もっと深く曲の"ワールド"に入り込めたかな、というところ
でしょうか。
今後もこの形態は続けていくということですので、年を追うごと
に円熟味がましてますます深い世界をつくってくれることを期待し
ます。まずは11月のシングルと、12月のアルバムを楽しみにするこ
とにしましょう。