05月21日：Salt & Sugar　＠芝・メルパルクホール

  続いて個人的な感想です。多少辛口ですがご了承ください(^^;。

　先に全体としてはよい感じだったと書きましたが、部分的にはい
くつか気になった点がありました。主な点は次のようでしょうか。

    １．後半はよかったが、前半がいま一つ。
    ２．デュオは自由なようで、実はそんなに自由ではない。
    ３．やはりまだまだ「力不足」な面も否めない。

　１についてはレポートでも書いたように、前半の竹善さんの声の
調子があまりよくなかったように感じたからです。歌の方の伸びが
いま一つだったためにバックのピアノもあまり勢いにのれなかった
ように見えました。前半はまだ調子が出ていなかったのでしょうが、
出来れば最初から良い感じで演奏してくれればもっといい感じになっ
たと思います。

　２はアドリブの応酬などが思ったより見られず、自由に展開する
部分が少なかったということです。これはデュオという構成による
と思うのですが、一方がソロを取っているときには他方はどうして
も進行をキープせざるを得ない面があるように思いました。
　竹善さんがソロの時は塩谷さんは基本的にはバッキングでしたし
（もちろん反応はしているのですが）、またピアノがソロを取ると
きは竹善さんがベースパートをスキャットでいれてましたし。その
ため互いにアドリブでの攻め合いなどが出来なかったのかと。
　例えば昨年の竹善・大石・土岐トリオの時には、一人がバックで
もその上であとの２人がアドリブで遊びあうという展開が何度も見
られたのに比べると、ちょっともの足りない感じがしました。

　３は私が一部の曲のオリジナルを知っていたためもあるのでしょ
うが、聴いていていま一つ満足出来ない曲があったということです。
例えば５の「Wait for the Magic」はどうしてもAl Jarreau版の方
が素晴らしいと思いましたし、14の「Razzmatazz」などもPatti
Austinの方が気持ちいいんだろうな、と思ってしまったのです。も
ちろん素晴らしく歌っていた曲も多かったのですが、部分的にはま
だ表現力が足りないような感じもしたわけです。
  あとは竹善さんのホーンの口まね(トロンボーンかな？)も多少物
足りなかったです。というのもこのライブの１週間前にIvan Lins
という人のライブをみて、そこで彼がやっていたホーンのスキャッ
ト(とでもいうのだろうか)が素晴らしく、それに比べるとレベルが
違ったなと。竹善さんはけっこう音数が多くして盛り上げようとし
たのに対して、Ivanのは少ない音ながら実によいフレーズを奏でて
いたものですから。
　これは塩谷さんでも同様で、短くて音数が少ないけども聴衆をぞ
くっとさせるようなインパクトのあるフレーズはあまりなかったと
思います。例えば５のオリジナルでのJoe Sampleのような味のある
演奏があれば、もっと感動できたと思うのです。
　まだまだ若いのですから、オリジナル版の大御所と比べるのはな
んなのですが、もっと演奏力が上がればより素晴らしくなると思い
ました。

　まあ、このデュオは今後も継続して続けていくということでした
ので（60歳までやるような話もしてましたが(^^;）、年を経るごと
に円熟味が増すようなコンビになってほしいものです。

＃決して悪いライブではなかったですので、念のため(^^;。
＃ただもっと良くなると思ったものですので…。